安価な金張り製の社章にはご注意ください!
社章(徽章)の仕様の中で「金張り」といった仕様がございます。
金張りとは銅や銀の材料の上に約9ミクロン前後の24金を商品の表面や部分的に張る仕様のことをいいます。
9ミクロンというと薄く思われるかもしれませんが、実際はかなりの厚みで金メッキとは比べ物にならいほどの厚みです。
金メッキはシルバークロスや布などでサーっと拭いただけで剥げてしまいますが、金張りは簡単に剥げることはございません。
金張り製品にはその証明として、裏面に「金張」といった刻印がはいります。
金張り製品はたとえ、金張り部分が変色したとしても、シルバークロスや柔らかい布なので拭いていただければ変色も取れて多少光沢も戻ります。
永い期間使用していただけるのが金張り製社章の最大のメリットといえます。
【金メッキを金張りと偽るメーカーも】
問題点としましては、「金張り」と「金挿し(金メッキ)」とでは見た目はほとんど同じで、一般の人にはまずその違いは分からないことです。
残念なことに、製造メーカーの中には、「金挿し(金メッキ)」を「金張り」と偽って、刻印までいれるメーカーもございますので、
金張り製品をご注文される際にはご注意をお願い申し上げます。
金張りは比較的高級な製品で、製造に手間もかかりますので、安価な金張り製品にはご注意ください。
なぜ金張り社章の価格が高騰しているのか?
金張りの社章は以前は今ほど高額ではなかったです。近年、金張りの社章の価格が高騰している主な要因として『金』の相場の高騰が一番の要因としてあげられます。2000年の金の平均相場が1グラム1000円程度だったのに対し、2020年の平均金相場が1グラム6000円だったので、この20年で約6倍にも高騰しています。2020年はコロナの影響で最高7000円まで上がりました。異常なまでの金相場の高騰だったといえます。
金張りの土台
金張りの社章には銅に金を張る『銅台金張り』と銀に金を張る『銀台金張り』があります。金を張ることができるのは、表面のみになりますので、側面や裏面は銅や銀がむき出しの状態になります。銀台の社章の場合は銀をむき出しにすることがありますが、銅台で銅をむき出しにすることはありません。銅台金張りを使用した社章の場合、仕上げとしてはダムシン仕上げで側面も裏面も塗装する仕上げが多いです。それ以外には、全体に金メッキをして側面も裏面も金色にする場合もあります。ただ、これは稀な社章です。銀台金張りの社章の仕上げ方法としてはいぶし仕上げが多いです。次に今回の様な凹部分に墨をいれる仕上げもあります。金張りの社章は『へら磨き』といった磨き方をします。ヘラ磨きはヘラ目が残りますが、それも味としてとらえることができます。金メッキとは違った趣きのある社章ができます。