ピンズに使用する主な素材はアルミや金、ステンレスなどです。仕上げとしては、有色の樹脂を流し入れるトギエポ、安価で仕上げられるメッキ、愛知県の伝統工芸「七宝焼き」の技法を用いた本七宝などがあります。
本記事では、ピンズの製作を依頼する際に重要となる素材や仕上げについて、それぞれの特徴を愛知県名古屋のピンズ製作会社山脇マーク製作所が解説します。
ピンズに使われる主な素材は金属ですが、その種類は多岐に渡ります。
ピンズに用いられる数多くの素材のなかからアルミと金、ステンレスについて詳しく見ていきましょう。
金属のなかでもとくに軽い部類に入るのが、アルミです。
鉄と比べてみるとその密度はおよそ3分の1しかありません。
身の回りのさまざまなところでアルミは使われていますが、純粋なものは1円玉くらいで、ほとんどが合金です。
純粋なアルミにはそれほど強さはありませんが、添加する金属によって強度が増します。
また、柔らかいことから加工のしやすさもポイントです。
こういった特徴を持つことから、非鉄金属のなかではもっとも生産量が多いとされています。
ピンズの場合、印刷のために使用されることが多いです。
また、ほかの素材に貼り付けることでも活躍します。
高級なピンズを作りたいのであれば、金がおすすめです。
金は貴金属の1種とされており、鉄とは違い精錬する必要がありません。
本物の金は自然界に単体で存在している貴重な存在です。
比重が重いのが特徴の1つで、表面は光沢のある黄色、すなわち金色をしています。
アルカリや酸に耐性があり、溶解したとしても素材のもつ性質は失われません。
優れた強度を持っていながら、非常に柔らかい性質もあります。
その強度は1gの金を数mmの向こうが透けて見えるような厚さまで伸ばせるほどです。
柔らかすぎるため、純粋な金は加工に向いていませんが、その美しさには高い需要があるため、ほかの硬い金属を組み合わせてアクセサリーなどに用いられます。
社章に用いられるピンズの素材として真鍮や銅が主に挙げられますが、より特別なものを望まれることもあるでしょう。
山脇マーク製作所ではワンランク上の特別なピンズとして、24金や18金、ホワイトゴールド、金張りといったものにも対応しています。
アルミと同様に、身の回りのさまざまな箇所で用いられるのがステンレスです。
身近なところで挙げるのであれば、スプーンやフォーク、ハサミ、携帯電話、パソコン、腕時計、自動車など、小さいものから大きいものまで、精密機械などにも幅広く用いられています。
鉄とクロム、ニッケルの合金がステンレスと呼ばれます。
特徴として、金属の天敵でもある錆びに強い点が挙げられます。
また、耐熱性や耐低温特性を持っており、強度も高いです。
ステンレスはSUSとも表記されますが、そのあとに304や403など数字が続くのを見たことがあるかもしれません。
これは、ステンレスに含まれているクロムおよびニッケルの比率を表した数字です。
ピンズには、主にクロムが18%含まれるSUS403が用いられています。
メッキ加工を行わなくても、素材そのものの地金を活かしてピンズを作れるため、比較的コストを下げて生産できるのもポイントです。
ピンズを製作する際に、主に採用される仕上げについて細かくみていきましょう。
色入れをこだわりたいのであれば、トギエポが最適で、有色の樹脂を用いて色入れを行います。
加工された社章の凸凹に合わせて、樹脂を流し込みます。
樹脂を用いる都合上、細いラインなどの色入れにも最適です。
また、色のバリエーションも多岐に渡るため、自由なデザインの色入れが可能です。
このほか、ラメやマーブルといった特徴的な模様のデザインにも向いています。
社章のためにピンズを作るのであれば、トギエポは最適でしょう。
コストを抑えてデザインを仕上げたいならメッキを選ぶとよいでしょう。
メッキとは、素材の表面を金属皮膜で覆うことで、デザインを施す加工方法です。
元の素材がそのままでは色入れに向いていなくても、メッキを用いることで特性を付与できます。
メッキ加工は、かかるコストが比較的安価な上に、綺麗な外観に仕上げられます。
また、加工の際に素材を選ばないのも優れているポイントです。
金属や非金属を問わず、自由に加工できます。
メッキのために用いられる金属は種類が多いため、含有量の調整も可能です。
メッキ加工は、装飾メッキと防錆メッキ、機能メッキの3種類に分類できます。
装飾メッキとは、色入れなど装飾を目的として行われるメッキ加工です。
食器やアクセサリー、自動車の外装部品など、これらには装飾メッキが施されています。
防錆メッキとは、金属の天敵である錆びに耐性を持たせるための加工です。
金属は、空気に触れていると錆びてしまう特性があります。
錆びが発生すると見た目が悪くなるだけでなく、耐久性も落ちてしまうため、防錆メッキは欠かせない加工です。
最後に機能メッキとは、製作の途中で扱われる加工です。
その素材にはない特性を付与するために用いられます。
例として、光沢を与えたいためにクロムメッキ、防錆効果を高めるために亜鉛メッキといったものが挙げられるでしょう。
七宝焼きによって色感を表現する加工方法が、本七宝です。
七宝焼きとは、天保4年に愛知県名古屋市の陶芸家によって技法が発見されたことをきっかけに広まった伝統工芸です。
現在でもあま市、名古屋市を中心に、愛知県は七宝焼きの中心地として有名で、「尾張七宝」と呼ばれています。
本七宝は、金属に釉薬を塗り、750〜950℃で焼くのが特徴です。本七宝で仕上げると表面が固くなるため、キズがつきにくくなります。
表面がなめらかでガラスのような透明感が魅力で、独特の高級感を演出できます。
一方で、使用できる色に限られるのがネックです。
多くの色を使用したいのであれば、トギエポを選びましょう。
<h2>ピンズの素材や仕上げを選ぶときのポイント</h2>
会社やチームのためにピンズを作るのであれば、こだわりを持って特別な仕上がりにしたいところでしょう。
ピンズは、上記で紹介したようにさまざまな素材や加工方法によって仕上げられます。
品質だけにこだわるのであれば、コストをとにかくかければよいかもしれませんが、会社やチームに最適なものかどうかはわかりません。
大切なのは、会社やチームのイメージに合った素材、仕上げ方法を選ぶことです。
しかし、ピンズ作りに馴染みがない方にとっては、最適なものを選ぶことは難しいでしょう。
わからないときは、製作所にデザインを持ち込んで素材や仕上げについて相談してみることをおすすめします。
数多くのピンズを手がけたことのある製作所であれば、最適な提案をしてもらえます。
ピンズは単なるコレクターアイテムではなく、記念品やノベルティ、会員バッジ、土産などさまざまな部分で求められるものです。
せっかくピンズの製作を依頼するのであれば、自分たちだけの特別な一品を作りたいもの。
ピンズ作りに用いられる素材や加工方法は多岐に渡るため、デザインのために最適なものを考えるには、専門的な知識が欠かせません。
ピンズ作りでお悩みの際は、ぜひ愛知県名古屋市にある山脇マーク製作所にご相談ください。
さまざまな素材や仕上げに対応し、それぞれの工程で職人達が丁寧に作り上げます。お気軽にお問い合わせください。